安心と信頼のオランダ産ポーク  オランダ農業振興会

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オランダ産ポークの特徴 ①
養豚先進国の技術と次代を見据えた管理

 養豚先進国・オランダには世界的な種豚の育種会社が複数あります。大ヨークシャー種やランドレース種などをはじめとして、永年にわたる遺伝子ベースでの研究・改良により開発されたオランダの種豚は世界各国に輸出されています。もちろん、日本の養豚産業でも活用されています。
 オランダで肥育されている豚はこれらの種豚から産出されるハイブリット種が主体です。養豚農場は1998年以降から大幅に減少し集約化が進み、現在は約6,500戸と1998年当時の半分以下となっています。一方で1戸あたりの飼養頭数は1,900頭と倍以上になり、総飼養頭数は約1,240万頭に達しています。
 飼料は、メイズ(とうもろこしの一種)、小麦、大麦、大豆、糖蜜に、ミネラルやビタミン等を添加した配合飼料が用いられています。育種改良による繁殖成績の向上に加え、EU諸国に素豚を生体輸出していることなどから、生産コストに占める飼料費の割合は他のEU諸国に比較して低く抑えられています。


サスティナビリティ対応でエネルギー・水使用を半減、
抗生物質も50%削減

 オランダの農業全体がサスティナビリティ(持続可能な環境に配慮した生産)を重要なテーマとしており、養豚分野においても安全性確保とともに環境への配慮やアニマルウェルフェア(動物福祉)への取組みを一段と強化しています。
 この一環として、政府はエネルギーや水の使用を2030年までに半減する目標を定めています。また、2013年までに抗生物質の使用を50%に削減する計画です。これらはEUの基準を上回るものですが、オランダの養豚農家は常に次代を見据えて、こうした厳しい基準をいち早く受け入れ、それによって、EUや世界の食品安全・品質保証に関するさまざまな基準、規格をリードするような独自のシステムを築きあげてきました。


オランダ産ポークの特徴 ②―
統合集約化で世界市場への対応力を強化

 オランダで生産される豚肉の約7割はEUおよび世界市場に輸出されています。輸出対応力を強化するため、オランダの豚肉産業は近年、急速に統合集約化が進展しています。1990年には年間のと畜頭数が25,000頭以上のと畜場が44カ所ありましたが、2000年には29カ所、2010年には17カ所までに統廃合されています。このうち、年間と畜頭数が100万頭以上のと畜場は7カ所で、この7カ所合計のと畜頭数は2010年で1,041万頭に達し、国全体の75%を占めています。
 最大手のポークパッカーは年間50万頭以上のと畜場を5ヵ所(うち100万頭以上3ヵ所)有し、食肉総合企業としてEU最大、世界でもトップレベルの売上規模を誇っています。これらの統合されたポークパッカーにより輸出先はワールド・ワイドに広がっています。スペイン、ドイツ、イギリスなどのヨーロッパ各国、日本、韓国、香港などのアジア諸国、アメリカや南アフリカなどそれぞれの国・地域が必要とする部位を輸出しています。

※オランダの主要カット規格・品質規格は下記URLよりご覧いただけます。
http://www.hollandmeat.com/frameset.htm


オランダ産ポークの安全性―
高度に体系化された安全・品質管理システム

 オランダの食肉に関する安全性管理は、非常に高度に統合されたシステムが構築されています。その管理対象の範囲は農場から家畜の輸送、と畜場、保管(冷蔵・冷凍)、認証、追跡とトレースまでフードチェーンのすべてに及びます。
 政府の食品安全機関(VWA)の監督管理とともに、産業界の独立した組織(PVE=畜産・食肉・鶏卵生産協議会)が運営する安全・品質認証制度である「IKB」システムによって安全性を担保する仕組みが確立しています。
 VWAは食品および消費者製品の安全性と人の健康、動物の健康と福祉などに関して規則を定めて監督しており、食肉の安全性については主に下記の事項を行っています。

 ※農場情報の把握と管理
 ※獣医師の常駐による食肉処理工場の管理
 ※すべての家畜の個体別検査
 ※動物福祉、家畜の疾病、薬品残留、人畜共通感染症
 ※HACCP
 ※トラッキング&トレース


EUの基準をリードする「IKB」システム
安全・品質認証のラベル貼付

 産業界の統合された品質システム「IKB」はフードチェーンの各工程を連鎖的に管理、認証する制度です。認証製品には「IKBラベル」が貼付されます。家畜の登録を必須として、独立した専門家が管理要件を設定しています。各工程に設けられた基準の検査はISO17020、認証はISOガイド65に適合しています。すべての製造・供給工程が対象となり、また、飼料、獣医師、抗生物質などのモジュールも構築されています。
 カバーされる範囲は「トラッキング&トレース」「飼料」「家畜の健康と福祉」「動物医薬品使用のモニタリング」―などで、それぞれ年に1度の検査があり、違反した場合の罰則規定も設けられている。
 トラッキング&トレースでは、問題発生時に4時間以内に製品がどこにいったかを追跡ができることが必要であり、バッチの大きさは任意だが、リコールは企業が責任をもって行う。このIKB認証制度のメリットは、食肉による問題の発生を減少させ、問題発生時には早期に警告を発することで安全ではない食肉が消費者にわたることを抑制し、ダメージをコントロールできることです。また、消費者製品におけるサルモネラ菌の発生を抑えられることなど、安全で健康的な家畜が最終的には高い利益を生むことです。